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型彫放電加工の用途

 型彫放電加工は、その名が示すように金型を作成する技術として用いられています。

 金型には、プラスチックを射出成型するためのプラスチック金型、金属をプレス成型するための冷熱間鍛造型、プレス絞り型、プレス抜型、アルミニウムを溶融させて流し込み成形するアルミダイカスト金型等があります。

 これら金型には、製品を成形する際に圧力や応力が加わることが多く、これらの力に対抗するだけの強度(剛性)が必要となります。

 また、金型は何回も使用することから耐久性も必要とされます。

 その結果、金型を構成する材料には、強度の高い材料が使用されます。

 強度の高い材料は、強度が高い分、切削等の直接的な加工が難しいという問題があります。

 この点、放電加工は非接触の加工であることから、材料の硬さに関係なく加工することができ、金型作成にうってつけの加工方法であるといえます。

 

 金型作成以外の用途としては、微細な部品の加工、例えば、繊維機械に用いられるノズル用の極細穴や、エンジンの部品、微細形状部品等に用いられています。

 また、金型と同じで硬い材料や硬くて脆い材料等の難削材加工にも非接触加工の利点を生かして用いられています。

 

 あなたの生活の周りの製品でも意外と型彫放電加工を直接的又は間接的に利用して作られているぐらい身近な加工技術なのです。