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型彫放電加工の特徴

型彫放電加工の特徴を説明します。

(1)非接触の加工方法であること

 放電加工中、電極と加工物との間は常時数μmの加工ギャップ(隙間)が維持されています。

 したがって、放電加工の間、電極と加工物とは物理的に接触していない状態で加工が進んでいくことになります。


(2)切削荷重が加わらないこと

 切削加工では、右図に示すように加工物に刃物の刃が食い込むことで加工物を切り裂いて加工がなされます。この際、加工物には切削荷重が加わることになります。 

 脆性材料の様に脆い材料は、この切削荷重が加わっただけで切削荷重の衝撃で壊れてしまう材料もあります。

 この点、型彫放電加工は非接触で加工が進むので、脆性材料に損傷を与えることなく、加工を行うことが可能です。


(3)導電性材料なら硬さ関係なく加工が可    能であること

 型彫放電加工は非接触加工であるので、

 ・工具よりも硬い加工物を加工可能

 ・使用する工具の硬さの影響を受けない

 という特徴があります。

 例えば、加工物の硬さが切削工具の硬さより硬いと切削工具の方が負けてしまい、加工が進まないという現象があります。

 この点、型彫放電加工は電気を利用して加工する加工方法なので、加工物に電気が通れば(導電性といいます)、加工物の硬さに関係なく加工することができます。

切削加工では加工が難しい材料

 ・超硬合金

 ・脆性材料(結晶体など)

 ・PCD(ダイヤモンド焼結体)

 

これらの材料は型彫放電加工で加工可能!