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液槽光重合(光造形)法 その③

 

DLP方式のメリット

 DLP方式ではプロジェクターを光源として使用しています。このため、プロジェクターの焦点を調整することで、光硬性樹脂が貯められたタンクの底部(透明フィルム又はガラス面)に投影する光の投影面積を変化させることができます。下の図は、DLP方式においてプロジェクターの焦点を絞り、光の投影面積を変化させた状態の変化図です。


       投影面積 大

       投影面積 小

 


DLP方式では、焦点を調整することで、光の投影面積の大きさを調整することができます。

 一方で、プロジェクター自体の画素数は固定ですから、投影面積が大きくなれば、解像度が粗くなり、投影面積が小さくなれば、解像度が細かくなります。

 したがって、DLP方式では、大きな造形物を作ろうとすると造形精度が甘くなり、小さな造形物を作ろうとすると造形精度が高くなる傾向にあります。

 ここで、光重合反応は光のエネルギーの強度に比例してその反応速度が大きくなります。

 DLP方式では、焦点を絞ることで、面積当たりの光のエネルギーが大きくなるので、光重合反応が早くなり、造形スピードがアップします。

LCD方式

 LCD方式では、光の投影面積は、液晶パネルの大きさに依存します。つまり、DLP方式のように光の投影面積を変えることはできません。LCD方式では、右図に示すように1層毎に造形領域全体に光が投影されるので造形物の大きさが大きい物でも小さい物でも造形速度は変わりません。

 

 また、LCD方式ではLCDパネルの大きさと解像度から造形精度が決まります。

 

 LCD方式の特徴は、携帯電話やタブレットで使用されているLCDパネルを流用することでコストを抑えることができるので、数万円代の光造形方式の3Dプリンターを実現していることです。

 

 最近のLCD方式の3Dプリンターでは、LCDパネルにモノクロLCDパネルを使用するものが登場してきました。

 LCDパネルをモノクロLCDパネルとすることで、輝度を高めることができるので、光のエネルギーを高めることができ、造形速度を速めることができます。

 今後は、4KのカラーLCDパネルを使用して高解像度を目指す機種と、2KのモノクロLCDパネルである程度解像度を高めつつ、今より造形速度を速める機種とに分かれていくのではないかと考えます。