3Dプリンターで模型を作ってみようの第5回目です。
今回は、船体の前後方向に延びている構造物を作成しています。
その前に、前回の記事において艦首部と主船体とを位置合わせしました。
しかし、CAD上では位置決めされていますが、パーツを3Dプリンターで出力した場合、曲面同士が接しているだけで、軸線方向及び軸線回り方向に全く位置決めされないので、組み立てが困難になります。
そこで、位置決め用のダボとダボ穴を作っておきます。
艦首部のダボと主船体のダボ穴とを組み合わせると上の図のようになります。艦首部よりも後方の部分にダボ穴開いていますが、これは今回作成する中央部の構造物のダボを受け入れるためです。
5.船体中央部構造物 立体モデル作成
下のイラストで主船体の中央部で前後に延びている構造物(赤丸部分)を作成します。
今回、作成する上で難しいのが、船の長さ方向に沿って延びる構造物が高さ方向において凹凸を繰り返しています。さらに、側面は斜めの面で構成されています。このような構造物の場合、前回大活躍したロフトを使って作るのが難しいです。ロフトは基本的に面と面とを結んで立体化するため、底面が1つで、上面が複数ある今回の形状ではモデル作成に向いていないからです。
まず、船体中央部構造物というファイルを作成しました。次にスケッチコマンド及び押し出しコマンドを使って、船体の長さ方向に沿う直方体を作ります。
作成した直方体の側面を、さらに押し出しコマンドの切り取りを使って斜めに切り落とします。
さらに、船体後方側の2つの主砲が設けられている砲台部分も押し出しコマンドの切り取りで作ってしまいます。
次に、船体中央部の形状に沿って、この直方体の下面を切り取ります。
同様に、船体後部の形状に合わせて、直方体の下面を切り落としていきます。
前半部分も、同様に切り落とします。
これで、この船体中央部構造物の下面は主船体の形状に倣いましたので、”陽炎”ファイルにこのパーツを挿入→派生を挿入で挿入します。挿入後、パーツを適当な位置に移動させ、その後、パーツの位置合わせを行います。この際、対象をコンポーネントからボディに変更してください。コンポーネントの設定のままだと、位置合わせできないからです。
位置合わせが終わった状態が下の状態になります。なお、下の状態は、今回の最終状態を反映しており、これから作成する部分も表示されている状態です。
次に、主船体にこの船体中央部構造物を取り付けた状態を確認しながら、作業を進めます。再度、Fusion360の上の方にあるタブを切り替えて、船体中央部構造物に切り替えます。切り替え後、構造物下部の形状や、上部の形状を整えていきます。
ほぼ、形になってきました。
しかしながら、ここで問題発生です。
立体モデルとイラストでは艦橋の前の形が違います。
立体モデルの艦橋の前の部分を細くすると、後ろ側の部分と幅が異なることになり、イラストの形状とつじつまが合わなくなります。どうするか、次回の更新までに検討します。